ブランドマークの役割と開発の基準など(ビギナー向け)

そもそもブランドマークって?

Brandは、その昔 放牧している自分の牛を他の牛と区別するために押していた「焼印:burned」を語源とするようです。その後 区別のための焼印はブランドマークという識別記号に変化し、ブランドが持つ価値をステークホルダーに想起してもらうという役割を担う様になりました。このブランドマークという識別記号は、B2C・B2B問わず 選択を行う際にあれこれ迷わなくて済む=意思決定のプロセスがショートカットできるという経済学的メリットがあります。そのため、市場競争力を有する企業は、必ず優れたブランドマークを掲げています。それでは、ブランドマークを持つ意味などについて確認してみましょう。

なぜブランドマークが重要なのか?

人は情報の9割近くを視覚から得ていると言われています。視覚からの情報はいくつかの種類に分けられますが、その中でも取り分けブランドマークは、マーケティング施策上非常に重要な役割を担います。例えば、コカコーラのブランドマークを見ると「スカッと爽やか」というメッセージやイメージが無意識に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。コカコーラの赤い色面に白く流れるような文字は、それだけを捉えると単純な情報だと言えますが、見る者にそれ以上の何かを想起させることができるのはブランディングの仕組みの中で綿密に設計された重要な役割を果たしているからに他なりません。

ブランドマークは記憶のスイッチ

ブランドマークは競合他社と区別してもらうための「色・文字・図形」を使った識別記号です。自らのブランドが競合よりも優れていることを一瞬で思い出させることがその大きな役割であり、これはブランドに関連する記憶を呼び覚ますスイッチとして働くと言い換えられます。ブランディングでは、タッチポイントで訴求するメッセージがブランドマークへと集約する仕組みを作り「識別記号が意味を携える」状態を目指します。最終的には、パブロフの犬の如くブランドマークを見ただけで無意識にメッセージが浮かぶ状況を作ることができれば強いブランドになったと言えるでしょう。

ブランドマークとメッセージの関係

優れたブランドマークとは、企業としてのあり方や製品やサービスの便益など伝えたいメッセージと密接に関係するように設計されるものです。もちろんブランドマークという単純な図形や文字によって伝えられる情報は限られます。そのためブランドマークをマーケティング施策上のコミュニケーションと連動させより詳しい情報やイメージを補完する活動を行ったり、特にブランドの訴求初期の段階ではブランドマークに併記する形で「タグライン」と呼ぶ短いメッセージを組み合わせてブランド価値の記憶性を高めるという手法が取られます。

ブランドマークの種類

ブランドマークは図形や文字によって構成され、記憶性を高めるために可能な限り少ない情報量で成立させるが定石です。しかし、図形は情緒的、文字は論理的とそれぞれ知覚を促す上で得手不得手があり注意が必要です。双方の知覚を促すという点で、「図形と文字の組み合わせで構成」するケースが多く見られますが、もし文字の形状が情緒的な表現に適している場合は「文字を図形化」するという いいとこ取り で構成できることもあります。その他には認知理解が浸透した後でリンゴマークのアップルやスウーシュマークのNIKEの様に「図形のみ」を残し文字情報を取り除く例も見られます。

ブランドマークの開発基準

ブランドマークは、情緒的、論理的な知覚を促す役割を持つことから、ブランドマーク開発の基準もその両面で規程する必要があります。
情緒的な面では、「独自性:唯一無二であるか」「永続性:将来に向けて使い続けられる存在か」「事業適合性(意味性):事業内容を表すものか」「審美性:普遍的な美しさや品質の高さを備えているか」を基準とし、機能的な面では、「再現性:多様な媒体や大きさでも正しく再現できるか」「記憶性:象徴的で記憶しやすいか」「可読性:文字の場合、正しく読むことができるか」と言った基準に沿って開発を行います。

標準的なブランドマークの開発プロセス I.D.Net.の場合を例に..

ブランドマークを開発する上で一番重要なことは、メッセージとして「どんな意味や想いを重ねたいのか」ということにつきます。このメッセージがしっかりと定義されていれば、自ずとデザインの方向性は明確になります。I.D.Net.では、定義されたメッセージに基づき開発を進め検証とリファインを重ねながらクライアントの想いを伝えるブランドマークを開発し、CXデザインの視点でブランドマーク活用のためのガイドラインまでしっかりとサポートしています。

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