ブランディングって何を目指すことなの?
「ブランド」という言葉を聞いて思い浮かべるのは、欧米の高級ファッションブランドだという方も多いのではないでしょうか。
バブル期の高級ブランドブームのせいもありそのように刷り込まれてしまったのかもしれません。もちろん欧米の高級ファッションブランドもそうですが、皆さんの生活の中で、お気に入りの飲み物や、ついつい買ってしまうもの、行きつけのお店などがあると思います。
実は、日常あまり気にしていないかもしれませんが、それらは数多くの選択肢の中から選ばれ、皆さんにとってお気に入りの存在になったということです。
そうです、「お気に入りの存在になった」という結果が重要なんですね。
ブランドは、価値を認めてもらった結果 成立するものなんです。
誰かが「ブランドを作ったよ」と言ってもそれはまだブランドとして認めてもらったわけではないので厳密にはブランドとは呼べません。
じゃあ、どうすればいいんだよ?ということになるので「ブランディング」という活動について説明してみたいと思います。
ブランディングは、文字通り「ブランドにするための準備とその後の活動」のことを指します。
そしてブランドとは、一言で表現すると「競争における優位性をもたらすもの」のことをです。
回りくどい言い方ですね。
少し解説を加えましょう。
ここでの競争は、たくさんの競合の中から選んでもらうことを指します。世の中には非常にたくさんのものが溢れています。消費者マーケティングが一般化したことも手伝って、気がつけば 皆 似通ったものを提供しているといった状況です。
例えば、ランチを食べようとしてインターネットで下調べするとします。私のオフィスがある三軒茶屋で「三軒茶屋ランチ イタリアン」と検索すると約8,330,000件ととんでもない数の検索ヒットが出てきます。もちろん広告やBlog記事が大半ですが、いずれにしてもこの中の情報から今日のランチとしてどこかのイタリアンレストランを一つだけ選ばなければならなくなりました。
汗…
正直こんなにたくさんの情報から一つを選び出すのはめちゃくちゃめんどくさいです。
その結果、砂山から針を探すのをあきらめて自分の記憶にあるお店の中から、美味しいピザが食べられるラルテというpizzeriaに行くことにしました。
私は、はっきり言ってここのピザ、(敬意を評して「ピッツァ」と記しましょう)ピッツァのファンです。最初の出会いは、友人からの紹介ですが、その際に、日本ナポリピッツァ職人協会の副会長であるとか、ナポリピッツァのコンテストで日本一になったとかの情報を得たと思いますが、今ではラルテに行こうとするたびにそんな情報などこれっぽっちも意識することはありません。
かつて「美味しい体験をした」「雰囲気の良いインテリアだった」「快適なテーブルサービスを受けた」などの優れた顧客体験により「ピッツァならラルテ」という刷り込みが行われ、その後 この様な選択の際には他と比較するなど判断プロセスが不要になったわけです。
この一連の流れが「ブランドによって市場競争力を得る」という実例です。
インターネットが情報入手のためのコストを徹底的に下げてしまい誰でも簡単にアクセスできる様になったために競争が激化しています。
そんな中で「選ばれる」ために「良いものであると知覚」してもらうことが非常に重要になりました。これを知覚価値と呼びます。
ブランディングはこの知覚価値を磨き上げながらその他大勢から唯一の存在になり、ブランドのファンを増やしてゆくことを目的とした活動です。
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